定期の予防接種と妊娠前予防接種
定期の予防接種は、それぞれの予防接種ごとに対象年齢が定められていて、対象年齢内で規定の回数については無料で受けることができます。
また、予防接種法により保護者の人はこれらの予防接種を「受けるように努めなければならない」と定められています。
赤ちゃんや子どもは、病気に対する抵抗力(免疫)が非常に未熟なため、
親はどんなに忙しくても赤ちゃんや子どもの健康を守る予防接種を忘れるわけにはいきません。
各接種には、定められた接種間隔があり、定期接種だけでも1歳になるまでに10回以上もありますので、
1ヶ月健診時にあらかじめどのようなスケジュールで接種していくのが良いのか相談して把握しておく必要があります。
定期の予防接種は、協力医療機関で『個別接種』により実施しています。
対象者には市から『予防接種のお知らせ』が標準的な接種年齢に合わせて郵送されます。
永井こども医院では接種回数や接種間隔、その時の赤ちゃんや子どもの体調など状況も加味しながら、
無理のないスケジュールで予防接種が受けられるように適切なアドバイスをさせていただきます。
また妊娠前に風疹予防接種を受ける事も大切です。詳しくは「妊娠前予防接種ページ」をご覧ください。
生ワクチンと不活化ワクチン
予防接種に使う薬液を「ワクチン」と言い、大きく分けて「生ワクチン」と「不活化ワクチン」があります。
生ワクチン
生きた病原体を弱めたもので、接種することで、からだが軽く感染したのと同じ状態になって免疫をつくります。1回の接種で免疫ができ、その効果は長期間持続するとされています。
不活化ワクチン
病原体を殺し、免疫をつくるのに必要な成分だけを取り出したもので、生ワクチンと違って、免疫を得るには数回の接種が必要です。
別の種類のワクチンを接種する場合の接種間隔
あらかじめ混合されていない2種以上のワクチンを別々に接種する場合には、通常生ワクチンの場合は、27日(4週間)以上の間隔をあけて次のワクチンを接種します。また、不活化ワクチンの場合は、6日(1週間)以上の間隔をあけて次のワクチンを接種します。
生ワクチンを接種した場合
不活化ワクチンを接種した場合
※同じ種類のワクチンを複数回接種する場合は、ワクチンごとに推奨されている接種間隔が定められていますので、そのスケジュールに沿って接種します。
定期予防接種の種類と接種時期
ヒブ(Hib)
Hib感染症はヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Haemophilus influenza type b)という細菌によって発生する病気で、そのほとんどが5歳未満で発生し、特に乳幼児で発生に注意が必要です。
主に気道の分泌物により感染を起こし、症状がないまま菌を保有(保菌)して日常生活を送っている子どもも多くいます。
この菌が何らかのきっかけで進展すると、肺炎、敗血症、髄膜炎、化膿性の関節炎等の重篤な疾患を引き起こすことがあり、これらを起こした方のうち3~6%が亡くなってしまうといわれています。
また、特に髄膜炎の場合は、生存した子どもの20%に難聴などの後遺症を残すといわれています。
対象年齢 | 生後2ヶ月~5歳 |
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標準的な 接種年齢 |
生後2ヶ月~7ヶ月 |
接種方法 | 生後12ヶ月までの間に27日以上の間隔で3回皮下接種 |
肺炎球菌
肺炎球菌感染症とは肺炎球菌という細菌によって引き起こされる病気です。
この菌は集団生活が始まるとほとんどの子どもが持っているといわれるもので、主に気道の分泌物により感染を起こします。
これらの菌が何らかのきっかけで進展することで、肺炎や中耳炎、髄膜炎などの重い合併症を起こすことがあります。
特に髄膜炎をきたした場合には2%の子どもが亡くなり、10%に難聴、精神の発達遅滞、四肢の麻痺、てんかんなどの後遺症を残すといわれています。
また、小さい子どもほど発症しやすく、特に0歳児でのリスクが高いとされています。
対象年齢 | 生後2ヶ月~5歳 |
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標準的な 接種年齢 |
生後2ヶ月~7ヶ月 |
接種方法 | 27日以上の間隔で3回接種 生後12~15ヶ月の間に追加1回接種 |
BCG(結核)
BCGワクチンは結核を予防するために接種するワクチンで、乳幼児期に接種すると結核の発症を52~74%程度、重篤な髄膜炎や全身性の結核に関しては64~78%程度予防できると報告されています。
また、一度接種すればその効果は10~15年程度続くと考えられています。
対象年齢 | 生後1歳未満 |
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標準的な 接種年齢 |
生後4ヶ月~8ヶ月未満 |
接種方法 | 1回接種 |
B型肝炎
B型肝炎の母子感染を防ぐには、母親がB型肝炎ウイルス陽性である場合は、出産後すぐに赤ちゃんに薬(注射)とワクチンを接種することが大切です。
HBIGの接種を1回、HBワクチンを3回接種すると、90%以上の赤ちゃんでB型肝炎の感染を防ぐことができます。
対象年齢 | 1歳未満 |
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標準的な 接種年齢 |
1歳未満 |
接種方法 | 4週間隔で2回、1回目から20~24週を経過した後に1回、合計3回接種 |
ロタウイルス
ロタウイルスによって引き起こされる急性の胃腸炎で乳幼児期(0~6歳ころ)にかかりやすい病気です。
主な症状は水のような下痢、吐き気、嘔吐(おうと)、発熱、腹痛です。ふつう、5歳までにほぼすべての子どもがロタウイルスに感染するといわれています。
脱水症状がひどくなると入院治療が必要になることがあります。
ワクチン名 | ロタリックス(1価) | ロタテック(5価) |
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接種回数 | 2回 | 3回 |
接種期間(※1) | 出生24週0日後まで | 出生32週0日後まで |
初回接種の期間 | 生後2月から出生14週6日後まで(※2) | 生後2月から出生14週6日後まで(※2) |
接種間隔 | 2回目以降27日以上あけて接種 | 2回目以降27日以上あけて接種 |
※1.「出生〇週〇日後」 誕生日の翌日を0週1日後として計算します。
※2.初回接種の標準的な接種期間を記載しています。接種自体は出生6週0日後から可能です。
五種混合(ジフテリア/破傷風/百日咳/ポリオ/ヒブ)
1期 (五種混合)
五種混合ワクチンによって、ポリオ、百日せき、破傷風、ヒトインフルエンザ菌感染症(Hib感染症)、ジフテリアのような重篤な疾患の予防ができます。
生後2か月から初回の接種を行い、一定期間を経て追加の接種を行います
対象年齢 | 生後2ヶ月~ |
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標準的な 接種年齢 |
1回目:生後2ヶ月 2・3回目:4週間隔で2回 4回目:3回目終了後、6ヶ月以上空けて(標準的には12ヶ月から18ヶ月) |
接種方法 | 4回接種 |
ジフテリア / 百日せき / 破傷風 / ポリオ
1期 (四種混合)
四種混合ワクチンはジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオの4種類の病気に備え、免疫をつけるワクチンです。
市町村が実施する定期接種で定められた期間内は無料(自己負担なし)で接種できます。
初回 | 対象年齢 | 生後3ヶ月~7歳6ヶ月未満 |
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標準的な 接種年齢 |
生後3ヶ月~12ヶ月未満 | |
接種方法 | 3~6週間の間隔で3回接種 | |
追加 | 対象年齢 | 1期初回(3回)終了後 1年~1年6ヶ月未満の間に1回接種 |
標準的な 接種年齢 |
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接種方法 |
2期 (二種混合 (ジフテリア・破傷風))
二種混合ワクチンはジフテリアと破傷風の2種類を混合した不活化ワクチンで、乳幼児期に接種した三種混合や四種混合のうち、百日咳やポリオをはずしたものです。
乳幼児期に接種したワクチンで獲得した免疫が低下してくるため、第2期として二種混合ワクチンを接種することで、より確実な免疫をつけることができます。
対象年齢 | 11歳~13歳未満 |
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標準的な 接種年齢 |
11歳 |
接種方法 | 1回接種 |
麻しん(はしか)風しん
麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)は乳児期に2回接種します。
1回目は1歳になったらなるべく早めに接種し、2回目は小学校入学前の1年間(6歳になる年度:4月1日~3月31日)に接種します。
1期 (麻しん風しん混合 麻しん風しん)
対象年齢 | 1歳~2歳未満 |
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標準的な 接種年齢 |
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接種方法 | 1回接種 |
2期 (麻しん風しん混合 麻しん風しん)
対象年齢 | 就学する前年度中 |
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標準的な 接種年齢 |
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接種方法 | 1回接種 |
日本脳炎
1期
初回 | 対象年齢 | 生後6ヶ月~7歳6ヶ月未満 |
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標準的な 接種年齢 |
3歳 | |
接種方法 | 1~4週間の間隔で2回接種 1期初回(2回)終了後 おおむね1年おいて1回接種 | |
追加 | 対象年齢 | 生後6ヶ月~7歳6ヶ月未満 |
標準的な 接種年齢 |
4歳 | |
接種方法 | 1~4週間の間隔で2回接種 1期初回(2回)終了後 おおむね1年おいて1回接種 |
2期
対象年齢 | 9歳~13歳未満 |
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標準的な 接種年齢 |
9歳 |
接種方法 | 1回接種 |
水痘
対象年齢 | 生後1~3歳未満 |
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標準的な 接種年齢 |
1歳~1歳3ヶ月未満に初回1回接種 その後6ヶ月~1年おいて追加接種1回 |
接種方法 |
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